【外国人起業家たちのいま】 〜今活躍中の外国人起業家はどのように事業や組織作りに取り組んでいるのか〜

7月29日(木)Linc主催セミナー【外国人起業家たちのいま】
〜今活躍中の外国人起業家はどのように事業や組織作りに取り組んでいるのか〜を開催しました。

オンライン・オフライン同時で実施し、約50名の方にご参加いただきました。(なお、コロナウイルスの感染リスクを最小限に抑えるため、会場参加は20名以下にし、消毒換気を徹底しての開催となりました。)

これまで外国人が経営する会社といえば「不動産関連」、「IT派遣・アウトソーシング」、「輸出・輸入業」、「語学関連」などのイメージが強かったと思います。しかし、近年外国人を取り巻く起業状況は大きく変わりつつあり、政府が外国人活躍を推進する施策の一環として、外国人起業家を呼び入れようとする「スタートアップビザ制度」を活用して、日本で起業する外国人が続々と増えています。

また業種も昔と比べると変化が見られ、テクノロジードリブンのスタートアップ企業やグローバルスタンダート企業の新興が著しいです。

今回のセミナーは、2名のゲストをお招きし、以下の点について伺いました。

・日本で起業した理由
・起業してよかった点
・起業して経験した課題
・外国人として日本で起業するメリットとデメリット
・どんな人が起業、またはベンチャー企業に向いているか

ゲストのご紹介

孫 小軍  BionicM株式会社 代表取締役CEO

 

趙 一博 京未来株式会社 COO兼経営企画室室長

なお、こちらのレポートではイベント概要をお伝えします。イベント動画を視聴したい方は、動画URLをお知らせしますので、以下の連絡先までご連絡いただけますと幸いです。

問い合わせ先:support@linc-info.co.jp

 担当者名:王川(おうせん)

 

質問1:日本で起業した理由

孫さん:

  • 義足生活に不便を感じたという原体験から東大で義足研究を始めたのが起業のきっかけ。
  • 在学中に大学のスタートアップ支援プログラムに参加した際に表彰をいただき、起業時にも東大ブランドを活用できると考えた。
  • 東京は多くのリソースと優秀な人材が集まっているため。中国の優秀層は高い待遇を求めがちですが、日本では待遇が減っても想いに共感して集まってくれる優秀層の方が多いと感じる。
  • 日本はロボット技術が得意なため、開発に良い環境だと考えた。

趙さん:

  • 大企業で働くよりも自分の付加価値を出せると思ったため。自分がいてもいなくても変わらない組織で働き続ける人生は悲しいと思ったタイミングで創業者に声をかけられたので、そのままジョインした。
  • 大企業はやり方などが固定化してることが多いため現状を変えることが難しいが、ベンチャーでは信念を持って取り組んだら、自分でいろんなことをコントロールして取り組める。結果として、自分の付加価値を出しやすいと思った。

質問2:起業のなかでの課題

孫さん:

  • 確立されたルールが無い中で、カルチャーを作っていき、メンバーを同じ目標に向けてマネジメントすること。
  • 中途採用のメンバーが多いとそれぞれの働き方や想いがあるので、経営者としてゴールを示し、ゴールを達成するための方法を考え、自ら示していくこと。

趙さん:

  • :大企業と比べてベンチャーは人事や研修等様々なことが整っていないので、採用した方にとって最適な環境を整えないとポテンシャルを引き出しにくい点。
  • 人間の「悪さ」とどう付き合っていくかが難しい。ビジネスをする中で騙されることもあり、自分の中で人間の最低記録を更新した。

質問3:起業してよかった点

孫さん:

  • 中国と比べて日本の起業支援が手厚い点。東京大学や監査法人、特許庁等から無償でサポートをいただいており大変助かっている。

趙さん:

  • 自分がより良い人間になれた。環境を整える立場になって、より人間を理解するようになった。ドラッガーは経営の本質は人間の善良さを引き出すと言っているが、自分は経営に関わる中で、より良い旦那、父親、息子、友達、上司、パートナーになれていると感じる。

質問4:外国人としての起業して感じるメリットとデメリット

孫さん:

デメリット

  • そこまでデメリットを感じていないが、あえていうなら言葉の面。メンバーと面談するときに、相手が考えてることをうまく引き出して、みんなの考えをまとめる際に、日本語でうまく伝えられないこともあります。しかし最終的にはきちんと聞く耳を持てれば言葉の壁も乗り越えることができると考えている。

趙さん:

メリット 

  • 相手とアイスブレイクするネタが多くあること。

デメリット

  • 日本人と深い付き合いをするまでは少し時間がかかる。外国人への警戒心が少しあるのかもしれない。この点は少しディスアドバンテージはあるが、結局は一人の人間としてどのようにコミュニケーションするかが大事だと考えている。

質問5: どんな人が起業、またはベンチャー企業に向いているか

孫さん:

  • 強いビジョンや想いがある人。起業したら人をひっぱていく必要があるので、仲間に共感してもらうことが大事。
  • メンタルが強い人。起業はいろんな難しい局面を迎えたときに、心が折れずに立ち直る精神力が必要。
  • 投資家などに信用してもらうための実績がある方。
  • 創業者と同じ意識で考え、自分で手を動かして作っていける方。
  • ストック・オプション等大きなリターンを過度に期待しない方。うまく行かなかったときのギャップが大きいため。

趙さん:

  • 強い信念を持つ方、同じ信念を持つ仲間を見つけている方。起業は一人では難しい。
  • メンタルに加えて、強いフィジカルも大事。起業は総合格闘技で、全方位で防御・攻撃する力が必要。
  • 歯車よりもモータータイプの方、自発的に動ける方。
  • 相手のいい点を素直に認められる謙虚さを持つ方。
  • 明るい気分を自分で保てる人かつ、周りを明るくできる方。

 

■最後に

セミナー終了後は、オフライン参加者の方を対象に情報交換も兼ねた交流会を実施しました。感染リスクを抑えて小さい規模での開催となりましたが、実際に起業されている方々が積極的に情報交換をしており、『繋げること=Link』を大事にしているLincとしても大変嬉しく思いました。

今後もLinc Internでは、インバウンドタレントと企業が出会うきっかけ作りや、インバウンドタレントが在籍している企業同士の交流機会を作っていきます。引き続きよろしくお願いいたします。

イベントレポートは以上となります。イベント動画を視聴したい方は、動画URLをお知らせしますので、以下の連絡先までご連絡いただけますと幸いです。

問い合わせ先:support@linc-info.co.jp

担当者名:王川(おうせん)


■当社について

Lincではインバウンド・タレントの「日本に来て良かった」を最大化させることで多様性と包容力溢れる社会の実現というビジョンを掲げております。来る“大労働力不足時代”と日本社会のますますの多様化を見据え、Lincはインバウンド・タレントの留学、就職、生活全般といったライフイベントを支える各種サービスを展開するプラットフォームを目指しております。

 

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