【外国人メンバーのマネジメント、何が違うの?】 〜外国人メンバーをもつ日本人マネジメント層による本音トーク〜 セミナーレポート

8月25日(木)Linc主催セミナー
【外国人メンバーのマネジメント、何が違うの?】
〜外国人メンバーをもつ日本人マネジメント層による本音トーク〜を開催しました。

当日はオンラインで実施し、約30名の方にご参加いただきました。

2020年10月末時点、在日外国人労働者数が過去最高を更新しました。このような国の政策に伴い、日本で働きたい外国人、外国人を雇いたい日本企業が年々増えています。しかし、実際には、

「外国人メンバーをもったマネジメント経験がなくて不安」
「日本人と同じマネジメント方法でいいのか?」
「想定以上に外国人メンバーとのコミュニケーションが難しい」
「ノウハウがないので困る」

など…現場から多くの困り事の声があがってきています。

また、日本人上司とコミュニケーションがうまくいかず、異国で孤独を感じて帰国を選択する外国人メンバーも少なくないです。

「せっかく日本で働きたいと思ってくれたのに」、「せっかく優秀な人材を採用したのに」

とせっかくのご縁が長く続かないことにもどかしさを感じてる方は多いのではないでしょうか。

今回のセミナーでは、このような悩みを解決する糸口として、外国人社員のマネジメント経験豊富な多2名のゲストをお招き、外国人メンバーのマネジメントについて本音で語っていただきます。

 

▼登壇者プロフィール

 

𠮷野 哲仁 WAmazing株式会社 CTO

SIer数社を経て2007年ヤフー株式会社入社。Yahoo!ショッピングのバックエンドエンジニアを努め、注文システムリニューアルなどのプロジェクトをリード。2013年、中国アリババ社に半年間出張し、淘宝・天猫のシステム/業務を学び、中国ビジネスのスピードと規模の大きさに刺激を受ける。その後、Yahoo!トラベル開発リーダー、アスクル株式会社への出向を経て、2016年に同社テクニカルディレクターに就任。ショッピング・トラベル・ダイニングサービスの技術責任者を務める。2019年、WAmazingのビジョンに共感し、VPoEとしてジョイン。現在はCTOとして「インバウンドx地方事業者」をテクノロジーで繋げるサービス作りに挑戦している。

 

前田 学史 情報ベンチャー協同組合東京事務所 所長代理 

1970年京都府生まれ。2003年より人材業界に入り、大手人材会社にて、人材派遣、人材紹介、採用代行などのサービス構築から事業運営に携わる。2018年から外国人材の就職イベント運営責任者として、毎年3000人以上の動員を実現。自治体の外国人合同説明会の運営にも携わる。

同時に100名以上の外国人を採用し、育成にも携わる。現在は、技能実習や特定技能分野でのサービス企画中。

なお、こちらのレポートではイベント概要をお伝えします。イベント動画を視聴したい方は、動画URLをお知らせしますので、以下の連絡先までご連絡いただけますと幸いです。

問い合わせ先:lincintern@linc-info.co.j

担当者名:王川(おうせん)

 

 

質問1:これまでの外国人メンバーと働いた経験について教えてください。

前田さん

  • 前職での外国人材の就職支援業では、韓国、台湾、中国、マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、ミャンマー、アメリカ、イギリス、ロシア出身等の方々100名以上と一緒に働いた経験あり。
  • 現職では、技能実習生との関わりが多い。

吉野さん

  • 前職では、中国のアリババ社出向時代や開発支部のあるベトナムのホーチミンにて、エンジニア職種の方と関わりがあった。
  • 現職では、マネジメントしているメンバー34名中、21名が外国人(台湾、香港、ベトナム、アメリカ、ドイツ、韓国等)

 

質問2:外国人メンバーをマネジメントしたり、一緒に働く際に大変だった経験について教えてください。

前田さん:

  • 人材紹介業で外国人求職者と向き合うときに難しかったことは以下2点
    ①多国籍人材を社内で用意すること(質の高いサービスを提供するために母国語対応可能者が必要)
    「具体的な職種を求める傾向が強い外国人求職者」と「会社に来てほしい日本企業」を上手くマッチングさせること。

吉野さん:

  • 採用面接で、採用後に具体的にどのような仕事をするのか、会社側が何を求めているのかをより丁寧に説明する必要があること(相対的に日本人よりも仕事内容の明確な説明が必要)。

 

 

質問3:多国籍メンバーがいるチームをマネジメントする際に心がけていることについて教えてください。

前田さん

  • マネジメントする際に、部下の特性を理解すること(参考:コーチング式のタイプ別)。
  • あくまで個人的感覚で一概には言えないですが、国別だと中国の方はプロモーター型が多く、新しい提案をしたり、ダントツで数字をあげる方が多かった。ベトナムの女性の方は、文化的背景の影響もあるのか相手を立てるサポーター型が多かった。
  • 新入社員が入ったときに、新卒、第二新卒には必ずメンター(第三者的な立場で業務上やプライベートの悩みをサポートできる人)をつけること。

吉野さん

  • 採用時において、応募者と会社のビジョン・ミッションのすり合わせ今後会社が実現したいことと、今回募集するポジションの関連性を丁寧に説明すること。
  • 出身国のカテゴリーに囚われすぎにちゃんと個人と向き合い、その人のタイプや性格を見極めること
  • 外国人として日本企業で働くことへの想いや実現したいことを掘り下げて、モチベーションのスイッチ等を把握すること。
  • その人の母国文化やニュースを調べてみて、何かしら共通点や一緒に話せる話題を探すこと。日本人だと共通話題を探すことは簡単だが、外国人の場合は意識して努力する必要がある。

 

 

質問4:外国人メンバーが活躍することで組織や事業にどのようなインパクトがあるのか教えてください。

前田さん

  • 外国人材に親和性がある事業はインパクトが出る(インバウンドやIT系)。逆に日本が優位な技術をもつ会社は日本の風土に合わせる傾向があるため、外国人が日本側のやり方に合わせていくことを求められがち。
  • 日本人だけでは考えられなかった違う視野からのアイデアが生まれたり、組織変革の時期によいインパクトを出してくれたことがある。

吉野さん

  • 組織への影響:外国人メンバーと接する、他国の文化、自分の日常と違うものに日常的に触れることで、日本人メンバーの視野が広がる、違いへの受容性が高まる(とはいえ外国人とのコミュニケーションには慣れが必要なのでいっきに採用するのではなく、少しずつ受け入れ下地を作っていくことが必要)。
  • 日本人メンバーの日本語力が高まる。行間を読む必要がある表現や抽象的な言葉を選ばなくなり、伝える力が高まる。

 

 

質問5:まだ外国人部下をもったことない管理職へのアドバイスはありますか?

前田さん

  • まずは受け入れをチャレンジしてみてほしい実際にハレーションを経験することで、必要な制度が見えてくる
  • いきなり社員ではなくインターン制度を上手く活用し、徐々に外国人受け入れに慣れていく
  • 生活面のサポート:自治体など社外機関にも相談して、外国人の悩みを聞いてくれる機関を活用する。
  • キャリアステップ、キャリアプランを日本人の方以上に丁寧にフォローする。離職を防ぐだけでなく、自社で実現できることを3-5年ベースですり合わせる。
  • 社内ではカバーできないことは、社外のリソースを使って一緒に整えていく姿勢をもつこと

吉野さん

  • コミュニケーションで課題になるケースが多いので、仕組みとしてコミュニケーションの量と質をあげる施策や仕組みを考えること。例:テキストコミュニケーションの型やテンプレートを作る。
  • 研修やディスカッションする場を設けて、日本人・外国人メンバーが相互理解できる仕組みを作る
  • メンバーと定期的に1 on 1する仕組みを作り、ちゃんと話しを最後まで聞く。日本語力の差もあり、上司は先回りしてフォローしがちですが、がまんして最後まで聞くこと
  • 政治や宗教の話はしないほうがいい。コンプライアンスやハラスメントのリスクがあるため。

質問6:多様性ある組織作りのために、最低限構築したほうがいい仕組みはありますか?

前田さん

  • 生活環境をサポートできる窓口を設けること。

吉野さん

  • デスク配置やプロジェクトのメンバー構成など、意図的に日本人メンバーと外国人メンバーが交流できる仕組みをつくること。
  • コミュニケーションをオープン化し、全員にみえる形でコミュニケーションしてもらうこと。
  • 1 on1はやってもいいよではなく、必ずやる仕組みにする。

 

 

イベントレポートは以上となります。イベント動画を視聴したい方は、動画URLをお知らせしますので、以下の連絡先までご連絡いただけますと幸いです。

問い合わせ先:lincintern@linc-info.co.j

担当者名:王川(おうせん)

 

■最後に

今後もLinc Internでは、インバウンドタレントと企業が出会うきっかけ作りや、インバウンドタレントが在籍している企業同士の交流機会を作っていきます。引き続きよろしくお願いいたします。

 

■当社について

Lincではインバウンド・タレントの「日本に来て良かった」を最大化させることで多様性と包容力溢れる社会の実現というビジョンを掲げております。来る“大労働力不足時代”と日本社会のますますの多様化を見据え、Lincはインバウンド・タレントの留学、就職、生活全般といったライフイベントを支える各種サービスを展開するプラットフォームを目指しております。

 

■ 株式会社Linc企業概要

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