地方創生のカギは日本語学校にあり! 〜日本語学校を起点とした地域を活性化させるためには〜 ウェビナーレポート <パート1>
11月24日(水)Linc主催ウェビナー【地域創生のカギは日本語学校にあり!〜日本語学校を起点とした地域を活性化させるためには〜】を開催しました。
今回は、日頃お付き合いのある日本語学校の先生方、オフラインではLincのオフィスにて11名、オンラインでは33名、合計44名の方にご参加いただきました。
今回はこのセミナーのレポートを2回に分けてお届けします。前半では、インターナショナルアカデミーIAY日本語学科 対木孝成氏の発表内容についてご紹介致します。
■今回ウェビナーテーマの背景
Linc主催のウェビナーはこれまで、経営視点・運営視点・教育視点より日本語学校の付加価値について考えてきました。
これまで主に首都圏にある日本語学校をピックアップしてきましたが、日本語学校の分布をみると、全体において、地方の日本語学校は約7割を占めており、地方の日本語学校より良くしていくことで、日本語教育業界全体が盛り上がると思い、今回は地方の日本語学校の現状理解、課題発見、一緒に解決策を探っていきたいと思います。
現状、来日する外国人留学生の多くは、東京や大阪など知名度の高い都市を留学先として選択する傾向にあると思われます。現状から、下記の3つの課題があげられます。
■課題:
①大都市との競争において、地域の魅力をアピールしきれず、学生募集難に陥っている。
②日本語学校卒業したら、すぐに大都市へ移住してしまい、長期間住んでもらえない
③大都市と比べ、就職や進学の支援の環境が整っていない
来日外国人の玄関口である日本語学校も、今後の経営状態を維持するには、学校の魅力だけでなく、地域の魅力を一緒に、そして地方の日本語学校も協力して知名度を上げていく必要があると考えています。
そこで、今回は北海道、群馬県に所在する日本語学校経営者2名の先生方をお呼びし、お話しいただきました。
■ゲスト①:インターナショナルアカデミー IAY日本語学科 対木孝成氏
1.大学と連携した日本語教育
北海道大学が文部科学省から委託を受け、北海道、産業界及び道内大学と連携し、外国人留学生に対し、道内をはじめとする日本企業等への就職に重要なスキルである「日本語能力」「日本での企業文化等 キャリア教育」「インターンシップ」を一体として学ぶ環境を創設するプログラムを行なっています。日本語教師が北大へ出張し、カリキュラムは就職活動むけ。社会人基礎力、ビジネス日本語など日本企業での就職に特化したものです。
2.企業と連携をした日本語教育ーオンラインビジネス日本語
地元建設業での人材不足を解消するべく、また、実際の働く現場で使える日本語コミュニケーション能力アップのため、道内の建設会社において、技術・人文知識・国際業務(技人国:ぎじんこく)の在留資格を取得して働くベトナム技術員向けの日本語授業を提供しています。コロナ禍や、移動の手間も考え、入国前〜入国後まで全てオンラインで授業を行っています。
3.登録支援機関と連携した日本語教育
介護について一定の知識・ 技術を持ち合わせた即戦力人材である「特定技能」で北海道内(一部道外)の介護業界に就職する外国人のなかで、内定が決まった特定技能のみなさんへ定期的にオンラインで日本語の授業を提供しています。
登録支援機関による義務的支援として、「日本語学習機会の提供」があり、それに対して学校に所属する日本語教師がサポートをしています。
4.公益社団法人と連携をした日本語教育
北方四島交流受け入れ事業(公益社団法人 北方領土復帰期成同盟)
「北方領土問題解決のための環境づくりを目的として、日ロ両国間で定められた、日本国民と北方四島在住ロシア人との間の旅券・査証なしによる相互訪問の枠組みによる交流」北方四島交流受入事業の一つとして、2001年度から日本語習得事業を毎年実施しており、当校がこの事業に参加しています。令和元年度は7月16日から8月15日までの日程で 北方四島在住ロシア人19名が札幌市及び根室市を訪れ、約一か月にわたり平日毎日、当校で日本語を学習しました。並行して毎週土曜日に、札幌市内や札幌市近郊において各種交流プログラムに参加。特に若い世代(大学生等)や札幌市在住の元島民2世・3世の方々(千島歯舞居住者連盟道央支部「四島虹の会」)との交流を深めました。
5.地方都市と連携をした日本語教育(これから)
地方都市のこれからの展望としての一例は、民設民営ではなく、公設民営の日本語学校を、人口が少ない都市で学校を設立し、人口減少が進む地方都市で、外国人と地元の人の共存共栄のために、学校を設立するかもしれないのではないか。
なぜそう思ったかと言いますと、地方自治体の人口減少、人材不足、外国人材とのコミュニケーション問題等の課題を解決するためです。日本語学校にしかできないリソースで、自治体と協力してできないか、現在そういった話が来ているので進めていきたいと思っています。日本語教師含む人材不足。働き手、優秀な人材が長く働いてもらうには外国人材が活躍できる場はたくさんあります。その土地に外国人材を長期滞在してもらうためには、日本語教育が大事だと考えています。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
Fuji Language School 本間昌次郎校長先生の発表についてはウェビナー実施レポート(PART2)でレポートします。
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■株式会社Lincについて
Lincではインバウンド・タレントの「日本に来て良かった」を最大化させることで多様性と包容力溢れる社会の実現というビジョンを掲げております。少子高齢化という、抗えない大きな波が押し寄せてくる日本において、優秀なインバウンド・タレントの増加は日本という国の持続的発展に必要不可欠だと我々は確信しています。そのために私たちはお客様のニーズに応えるべく、常にユーザーである学生や日本語学校をサポートすることによって信頼関係を構築してまいりました。またLincはこれまで投資家から累計2億円近くの資金調達を完了しており、この話題が日本経済新聞にも掲載されました。
(※参考 日本経済新聞掲載記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58522900X20C20A4XY0000/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26848240T10C18A2XY0000/
はたらくFUND(新生企業投資グループ及び一般財団法人社会変革推進財団)資本参画のニュースが日本経済新聞で取り上げられました!(2021.10.4付日本経済新聞より)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC015P40R01C21A0000000/
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