5年後の日本語教育業界がどうなるか、大予測! 〜日本語学校経営陣が考える将来像を語り合おう〜 イベント実施レポート
Lincが毎月主催の日本語学校関係者向けのイベント、8月のテーマとして、
5年後の日本語教育業界がどうなるか、大予測!
〜日本語学校経営陣が考える将来像を語り合おう~
8月26日(木)に開催しました。
今回の開催方式として、今までの一方的に発表方式ではなく、意見やアイデアなどをより出しやすいのディスカッション方式で、Lincと日頃おつきあいのある日本語学校の経営陣の方を中心に完全招待制で実施し、オンライン10名、オフライン8名、合計18名の方にご参加いただきました。
今まで、日本語教育業界において、今回の参加者の方々が経営者として、いろんな難関を経験し、且つその難関を乗り越えてきました。今回のコロナウイルス危機も、過去同様に乗り越えられるだろうと予測している経営者は少なくありません。
しかし、以前と比べて、他業界からの資本算入、大企業より学校の買収合併、鎖国による入学できる学生の減少、コロナによる現地での募集ができず、翌年の収益を確保ができず、さらに仲介紹介手数料の高騰による収益面に対する圧迫など、今まで日本語教育業界が想定できないたくさんの課題に直面しています。
もちろん今目の前にある課題を解決していかなければなりませんが、しかし、経営者として、5年後にも自分の学校が激しい業界編成に適応しながら、且つ顧客の需要が著しく変化していくことを想定し、その対応を準備しなければなりません。
今回のディスカッションは、
①経営者として、5年後の日本語教育業界を予測し、それに対して、いま準備すべきことを考えること
②他校も含め、日本語学校自身で課題解決できること及び行政改革に依頼すべきことの洗い出すこと
③目先にあることにとらわれず、皆様で将来のことを考えること自体が重要であること
上記の3つのことを目的とし、参加者からいただいた意見やアイデアの一部をご紹介致します。
■1.過去の経験したことに基づき、5年後の日本語教育業界の将来像および動向は?
こちらのテーマについて、意見やアイデアを元に5つに分けてご紹介致します。
■来日目的の多様化
今後、日本に来日する留学生の来日目的の多様化し、それぞれのニーズに合わせた日本語教育が求められると考えます。
①進学目的
②就労目的
・特定技能
・技能実習生
・高度人材
③在日就労ビザ所持者及び家族滞在者
■教育手法の変遷
新型コロナウイルス観戦拡大が収束したと仮定し、教育手法も変わるでしょう。
・教育の効率化を図るためオンラインとオフラインの融合が一般化していく
・ICT教育の進化
・反転授業の活用
■学費の設定
今まではほぼ全国共通の料金設定になっているが、サービス多様化による学費の設定が変わる可能性があり、質の高いサービスがそれに見合った価格の設定が可能になると予測されます。
また、オンライン授業によるサービスの提供は低価格の設定も可能になります。
■日本語教師の高齢化が進む
今の日本語教育業界に飛び込もうとしている若者が減り、人材不足になる可能性が考えられます。
■他業界からの参入
人材や不動産業界など、卒業学生に対して「出口」を提供できる学校が増えるでしょう。
■2.日本語学校の立場から世界に対して日本の文化・良さを伝えるための役割とは?
■大学や専門学校との連携強化
調理、美容、介護などの専門分野を活用して、日本の魅力をアピールしていき、日本留学を促していく。日本語学校、大学、専門学校、双方においてメリットがある。
■優秀な外国人人材を日本社会へアピール
日本語レベルはまだ未熟ではあるが、日本社会への長期的な貢献が期待できる外国人人材の育成および活用方法を日本企業に対して提案
■3.5年後、日本語学校が提供できる価値とは?
■新規事業の開拓
来日目的の多様化に合わせ、進学目的以外(就職、文化体験、家族滞在者)で、新しい日本語学習プログラムの開発と提供をすることで、学校としての魅力度もアップする
■優秀な人材確保のために
ICTやDXシステムを積極的に導入、チャレンジの場を提供することで、日本語教育人材若年化への貢献等
■4.5年後に生き残れる日本語学校として、今から学校自身で努力すべきところとは?
こちらのテーマでは、「学校改革」というキーワードのもと、下記のアイデアと意見があがりました。
■組織改革
・各部署間の役割設定及び連携体制の構築
・人事制度の改革、給与体系、評価制度
■設備投資
・ICTシステム、DXシステムの導入と運用によるコスト削減
・オンライン教材の開発と運用
■人材育成
・若手先生の育成
・教育経験豊富な先生より若い世代へのノウハウの伝授
・若い世代の先生よりITリテラシーが欠けている先生へのスキルアップ研修
・オンラインマーケティング分野における活躍できる人材の受け入れ及び育成
■ユーザーとの関係強化
・学校サービス利用者の満足度アンケート調査の実施
・調査結果による内部業務改善の徹底
・利用者の保護者との連動、情報共有、口コミの拡散
■5.日本語学校として、国や政府などの支援も必要だとは思うが、求めたい支援策とは?
こちらのテーマでは、「日本語教育改革」というキーワードのもと、外部との連携を前提に、下記のアイデアと意見があがりました。
■学生募集関連
・大学、専門学校と連携し、現地での募集を強化していくこと
・学校ブランディング構築のため、オンラインプロモーションの強化とSNSの活用し、外部に対する発信すること
・他の日本語学校と連携をとり、団結することによる影響力を増し、エージェントに交渉できる体制づくり
■外国人材を地域社会に定着させる仕組み作り
・働く場所、子育て支援、日本人との交流の場を増やす
■メディア関連
・暗いニュースばかりで、日本語学校に対する悪いイメージを払拭し、イメージアップできるようなコンテンツ作り
・日本語学校の存在が、日本社会に提供している価値を評価し、拡散していく
■他業界との連携
・多様化されるニーズに対して、人手不足の業界や企業を開拓し、学生に卒業後に進められる道を提示し、日本語教育以外のサービスを増やしていく。
■行政改革への働きかけ
・日本語学校の認定制度:柔軟性を持ったプログラムを作成できるような告示基準の見直し
・多様なユーザーに多様なサービスを提供できる環境づくり、規則改定、骨太方針「日本語教育機関の振興と活用」として日本語教育機関が、何ができるのかを考え、政府へ提案していく。
(例えば、就労者(特定技能、技能実習)への日本語教育に日本語教育機関を活用してもらう等)
■最後に
今回のディスカッションを通じて、参加者の方より、
「何が正解なのか悩みながら経営をしておりますので、こういった経営者同士のディスカッションイベントは個人的にとても有難いです。」
「普段なかなか交流のできない関東地域以外の先生方とも情報交換できて参考になりました。」
「同じじ学校の仲間たちとの話し合いでは出てこない視点からのご意見をたくさんうかがうことができ、たいへん有意義でした。」
といったようなご意見をいただきました。
今回のディスカッションテーマは壮大なテーマであり結論が出にくいものではあります。
一つの学校だけで解決できるものでもないと思っています。
日本語教育業界全体が力を合わせて、取り組んでいくことだと思っておりますので、まずは一度考えることから始め、今後は具体的な解決方法を一緒に見つけていきたいと思っております。
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■株式会社Lincについて
Lincではインバウンド・タレントの「日本に来て良かった」を最大化させることで多様性と包容力溢れる社会の実現というビジョンを掲げております。少子高齢化という、抗えない大きな波が押し寄せてくる日本において、優秀なインバウンド・タレントの増加は日本という国の持続的発展に必要不可欠だと我々は確信しています。そのために私たちはお客様のニーズに応えるべく、常にユーザーである学生や日本語学校をサポートすることによって信頼関係を構築してまいりました。またLincはこれまで投資家から累計2億円近くの資金調達を完了しており、この話題が日本経済新聞にも掲載されました。
(※参考 日本経済新聞掲載記事)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58522900X20C20A4XY0000/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26848240T10C18A2XY0000/
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