中国現地からみた日本語留学マーケットの変化と機会 ~ハルビン視察ツアー参加学校を交えた感想・課題・今後の活動について~ ウェビナーレポート
7月27日(木)Linc主催ウェビナー
中国現地からみた日本留学マーケットの変化と機会
~ハルビン視察ツアー参加学校を交えた感想・課題・今後の活動について~
を開催し、日本語学校の先生方及び日本語教育関係者合計38名にご参加頂きました。(ZOOMにて32名、Lincのオフィスにて6名)
今回は、Linc斉宇氏に加え、下記3名の先生をお招きし、発表いただきました。
1.株式会社Linc 斉宇氏
■今回のツアーの実施目的
今回のツアーでは、ハルビンにある大学や高校、日本語教育機関などを訪問し、日本語教育についての交流ができ、将来的に学生募集へ繋げる機会になります。
①ハルビンの日本語教育事情の情報収集と課題発見
・現地の日本語教育の現状や取り組みについて情報を収集し、現地の学校に対し、プロである日本語学校より日本語教育の情報提供を行うことで、現地の日本語教育の普及や、将来的に日本で学びたいと考える学生たちへ発信することにつながることができます。
②新たな市場の開拓や現地のパートナーとの提携:
・中国は日本語学習に対する需要が高まっており、今回のツアーに参加することで、中国市場のニーズや要求を深く理解することができ、現地でのビジネスパートナーの開拓や販路の拡大につながる可能性もあります。
③学生募集の促進:
・ハルビンにある大学や教育機関と関係構築することで、将来的に学校経由で学生たちを対象に、留学プログラムを紹介し、日本留学に関心を持つ学生にアプローチすることができます。
■訪問学校の課題についてまとめ
・学生の日本語スキルを引き上げたいが、日本人講師が少なくて、実用的な日本語の勉強ができていない
・コロナ収束というものの、企業側の募集人数が減ることで、大学卒業生の進路先が少なくなった。
・日本の人材不足のことを知っているものの、日本での進学、就職、生活の情報を学生に提供したくても、正しい情報入手のルートが少ない。
■学生の課題についてまとめ
・学生本人は就職したい気持ちはあるが、企業側は高学歴で新入社員を採用する傾向が強くて、大学院受験をせざるを得ない
・より実用的な日本語の勉強を望んでいるが、読み書きで終わってしまうことが多いため、日本の文化や日本留学の良さを理解する機会が少ない
・自分の将来を考えることがすくなくて、在学中は社会や企業との接触するチャンスが少ない
2.東方国際学院学院長 森田浩樹氏
■中国募集に関する課題点(参加動機)
①中国現地の教育機関や仲介会社との関係(コロナ禍で想定外のリセットが起きた)
②コロナ禍を経て現場の留学に対する意識がどう変わっているか分からない
③現場感ある新たなスキーム作り(既存のスキームだけでは伸びきれない?!)
■今回の出張でわかった中国の本当の現状
①現地の教育機関や仲介業者は、留学以前に日本語学習者を募集~確保するので精一杯なこと
②ある国立大学の日本語科の責任者
「学生が日本に行って何か問題になったらまずい。学校の責任になる。そんなリスクは負いたくない。」
→中国でもリスクマネジメントの考え方が進んでいるように感じました。
③今までだったら学校が学生に
「日本留学の目的は何ですか?」と聞いていましたが、これからは、学校が学生に
「日本留学にはこんなメリットがあります」と訴求しなければならない現状を知りました。
→では、日本留学のメリットとは・・・?
④印象に残った訪問先
★ハルビン理工大学
大学)現地は日本人教師が不足している
森田)中国で10年日本語教育にかかわってきた
大学)学生たちとオンラインで交流会をしてほしい
⇒双方のニーズをふまえ、帰国後、オンライン交流会を実現させました。
3.東京中央日本語学院 東京中央日本語学院
養成講座事業 マネージャー
日本語総合研究所 主任研究員
徳田淳子氏
■参加目的
東京中央日本語学院では、日本語教師養成講座事業を展開しております。
・日本語教師の求人増やしたい
・日本語教師養成講座受講などのニーズ
一方で現地日本語教育機関では、主に下記2つの課題があげられました。
・日本語ネイティブ日本語教師が必要
・日本語教師研修ニーズ
これら双方の課題をふまえ、海外で働きたい日本語ネイティブ日本語教師と、日本語ネイティブ教師を雇用したい現地教育機関との連携することで、双方にメリットが生まれることがわかり、今回参加しました。
■今回のツアーで得られたもの
①濱才学院 ハルビンNO.1の民間語学学校
・教師の質が高い=集客に直結
・合同研修会等が検討できる
②順邁高校国際部 私立高校(小~高校)
・少数ではあるが、本人と保護者の確度が高い
・日本語ネイティブが授業を提供すると喜ばれる、留学意識が上がる
3.新世界語学院留学生募集部門 李子寅氏
■今回のツアーで得られたもの
1)インターネットの発展により留学プロセスの変化
留学プロセスに変化が起きています。2018年までは、日本語塾やエージェントからの推薦、紹介、SNS口コミで留学先を選んでいましたが、2018年からはショートビデオやインフルエンサーの影響で選ぶ傾向があります。
2)社会環境の影響により留学マーケットの変化
コロナや社会情勢の影響により、日本留学を選ぶ年齢層や、学習目的にも変化が現れています。(上記スライド参照)
・2023年は2022年よりも景気が回復したが、コロナ前に比べるとまだ良くない
・高校生と高齢者の割合が増えた
・日本留学の魅力と、日本への留学意欲が低下している
・ビザ申請が厳しくなっている
3)中国人の日本留学マーケットの現状
4)今後の募集活動についての課題
学生が自発的に私たちの学校を選ぶようにするのは重要
デジタルマーケティングの統合:①ネットワークプロモーション②在校生や卒業生との協力でショットビデオとライブ配信③オンライン評判の構築④個別化された広報活動⑤学校ウェブサイトの最適化。
①ワンストッププロジェクトを提供するための連携協力
学校は潜在的な学生に対し、自校の優位性や特色だけでなく、進学後の学校や就職の選択肢についても包括的にサービスを提供することができます。このようなサービスは、学生が将来の学業や職業のキャリアパスをよりよく計画するのに役立ち、学校の魅力を高めます。
②日本語学校と専門学校、大学の連携グループの構築②学校と企業の連携強化
■本件についてのお問い合わせ
①お問い合わせ先:https://www.linc-info.com/contact/
②電話でのお問い合わせ:03-6240-2155(株式会社Linc)まで直接お問い合わせください。
ご不明な点等ございましたら遠慮なくお申し付けください。
■株式会社Lincについて
Lincではインバウンド・タレントの「日本に来て良かった」を最大化させることで多様性と包容力溢れる社会の実現というビジョンを掲げております。少子高齢化という、抗えない大きな波が押し寄せてくる日本において、優秀なインバウンド・タレントの増加は日本という国の持続的発展に必要不可欠だと我々は確信しています。そのために私たちはお客様のニーズに応えるべく、常にユーザーである学生や日本語学校をサポートすることによって信頼関係を構築してまいりました。またLincはこれまで投資家から累計2億円近くの資金調達を完了しており、この話題が日本経済新聞にも掲載されました。