「選ばれる日本語学校はこれだ!」 〜中国の学生や保護者が学校選びで見ているポイント教えます〜 オンラインセミナーレポート

9月24日(木)Linc主催オンラインセミナー「選ばれる日本語学校はこれだ! 〜中国の学生や保護者が学校選びで見ているポイント教えます〜」を開催しました。

30名限定のイベントとして予定していましたが、申し込み開始後すぐに満員となり、追加募集を実施し最終的には80名以上の方にお申し込みいただき、多くの方にご参加いただくことができました。

これから2021年4月生の募集に向けて準備が進められているかと思いますが、中国での募集方法について、これから取り組めることや対策すべきことをもっと知りたいと考えてる方も多いのではないでしょうか?また、コロナウイルスの影響が続く中、これまでやっていた募集方法とは違うやり方を模索中の学校さんもあると思います。

中華圏の学生に対しての「募集方法」に関して、提携している日本語学校さんからLincに多く寄せられる課題として、3点あります。

◯日本語学校を中国国内にいる保護者に知ってもらうためにはどうしたら良いのか?

◯日本語学校を選ぶ際、学生はどういった点を重視しているのか?

◯なぜ保護者と学校が長期的な関係を維持する必要があるのか?

今回のセミナーでは、弊社が日頃からコミュニティ運営やユーザーとのカウンセリングを通して得た情報をもとに、保護者目線での学校選びのポイントや募集方法に役立つノウハウについて、日本語学校関係者の皆様にお伝えしました。

■(1)保護者のニーズを掴め!日本語学校の中国市場におけるソーシャルメディア活用方法

まずは、弊社ソーシャルメディアチームより、中国国内にいる学生や保護者がどのような方法で情報収集をしているのか?弊社のソーシャルメディア活用例とともにご紹介しました。このチームでは、自社でのソーシャルメディア運用に加え、日本語学校でのプロモーションサポートを行なっています。中国国内において、インターネット、SNSを活用した情報収集が当たり前になっきている昨今だからこそ、ニーズに合わせたプロモーション方法、つまりソーシャルメディアを活用することが重要だとLincでは考えています。

 

Lincでは、中国国内で特にユーザー利用数が多いソーシャルメディアアカウントを運営し、学生からの質問に答えたり、学生が関心をひくようなコンテンツを展開しています。それぞれの媒体の特徴を活かし、ただ情報を提供するだけでなく、ユーザーにプラットフォームを通じて体験できるサービスを届けられるように心がけています。例えば、Weiboでは日本で話題のニュースや、トレンド発信など、日本に行きたい!と思ってもらえるような情報発信をしています。また、TikTokでは、日本語学校での日常や、まるで自分が学校で生活しているような感覚になれるアングルで動画を撮影する等の工夫を取り入れています。

Lincが提供しているサービス「Linc Study」では、各アカウントの運営を通じて様々な角度からユーザー獲得を目指しています。これらの活動により、ユーザー同士の帰属意識を持たせたり、より多くの共感体験が生まれるようになります。保護者からも、「自分で調べるのには限界があった」「情報が気軽に手に入るし、学生、保護者それぞれの悩みを解決してくれるので助かりました」とのお声もいただき、サービス利用のきっかけにも繋がっています。

■(2)保護者へのインタビューを通じて得た、保護者が日本語学校を選ぶ基準とは?

次に、学生進学担当チームより、保護者へのインタビューを通じて得た情報(日本語学校を選ぶ基準、日本語学校の評価等)をご紹介しました。
このチームでは、日本語学校に通う在校生、入国前の学生に対して進学に関するセミナーを開催したり、学生または保護者に進学に関するカウンセリングを行なっています。

今回、とある日本語学校へ通っている学生の保護者へのインタビューを行い、下記の点について話を伺いました。

1.情報収集または日本語学校を知るルートは?

・インターネット検索エンジンや質問投稿サイトを利用(BaiduやZhihu)
・日本へ留学している先輩から留学エージェントを紹介してもらい、そこからの学校紹介

2.日本語学校を選ぶ基準は?

・日本語教育振興協会に優良校と認定されている
・アクセスが良い
・口コミ評価が良い
・学校の歴史が長い
・進学指導の有無 

3.日本で生活している子供(学生)への不安

・成績
・1人で生活していることに対して、孤独感から不安やストレスを感じていないか
・子供の生活的、精神的自立 

4.学校とのコミュニケーションは?

・中国人担当スタッフの迅速な対応により、先生の評価は高い
・コロナ禍で積極的に連絡をもらうようになったが、基本的にはこちらから連絡しないと学生の状況を教えてくれないこともある

インタビューを通じて、保護者が関心を持っていることについて下記の3点があげられます。(※スライド参照)

日本語学校での学習状況や成績、進学指導だけではなく、学校生活以外での生活面、精神面、多方面において気にされている保護者が多いことがわかりました。

■(3)日本留学生活において親子間で衝突が起こる原因

次に、アカデミックコンサルタントチームより、親子間で衝突が起こる原因、コミュニケーションの問題と解決策にについてご紹介しました。

このチームでの業務内容は主に4つです。

・学習開始前、担当学生の能力と学習状況により個人個人に最適な目標と学習計画を作成すること
・学習期間中、担当先生は学生の自立学習を促し、自ら学習計画を実行していくようにフォローすること
・定期連絡で学習計画の完成度をチェックし、また学生のペースに合わせて計画を調整すること
・情報収集から出願・二次試験までの流れを学生に伝え、選考に関するあらゆる問題の解決をサポートすること

まず、親子間で衝突が生じる原因の一つとして、それぞれが受け取った情報の差異が考えられます。前提として、中国と日本では教育環境や大学受験制度が異なります。例えば、保護者は日本の受験制度や有名な難関大学しか知らないケースが多く、子供のことを褒めない、子供のいうことを聞かない保護者が多くいます。また、子供の代わりに、判断を下す、子供を無理矢理勉強させる保護者も存在しています。一方で学生は保護者の悩みを理解できず、学校側にもこの親子間の状況の理解を求めています。

では、どうすれば親子間の衝突が解消されるのか。

保護者が気をつけることとして、日本留学について情報収集を綿密に行い、納得できるまで学生と相談することです。日本での生活は不安も大きいので、精神面でのケアやフォローも重要です。これらの問題と解決策を知ることで、学校側としても、双方において認識のズレを正すとともにニーズに合った状況報告ができるかと思います。

■(4)直接募集のための保護者コミュニティ活用

最後に、法人開拓チームより、日本語学校が直接募集をするための保護者コミュニティ活用方法についてご紹介しました。
このチームでは、日本語学校での進学、プロモーションに関する課題をヒアリングし、各学校に合わせた提案を行なっています。

まず初めにお伝えしたいこととしては、中国国内の保護者の属性を知ることです。

日本に「団塊世帯」、「バブル世帯」、「氷河期世帯」、「ゆとり世代」があるように、中国にも「60後」、「70後」、「80後」、といった世代の呼び方が存在しています。今回ご紹介したいのは、学生の保護者で多いとされる「70後(70年代生まれ)」の方達です。彼らは比較的中立的、保守的であり、インターネットで時間を潰すことは少ない一方、インターネットを使って資料を集め、学習することが多いです。

70年代生まれの保護者の情報収集の仕方と教育方針の特徴としては、下記の点が挙げられます。

♦︎情報収集

・70年代生まれの保護者達が外部の情報を積極的に受け入れる姿勢を持っている
・情報収集できるルートは少ないため、情報が偏ることが多い

♦︎教育方針

・子供の教育に対し、お金を惜しまない一方、子供の話や要望を十分に理解しようとせず、将来の進路を押し付ける傾向がある

以上のことから、日本語学校として今後取り組むポイントは、早いタイミングでの保護者との関係構築、定期的な情報共有をすることでフォローアップできる体制を作っておくことです。これらを実践していくことで、長期的な信頼関係を築くことができ、保護者がソーシャルメディアや口コミを通じて学校の魅力として拡散され、将来的に学校への直接募集の1つの手段として活用されることが期待できます。

■最後に

今回は、多くの日本語学校から寄せられた、中国国内の学生や保護者が日本語学校を選ぶポイントとは?というテーマをもとに弊社からさまざまな情報を共有させていただきました。
参加された方より、「学生のご両親の存在について考えるいい機会になりました。今後は国籍を問わず、ご両親ということについて考える機会になればいいなと思います。」「保護者へ学生状況報告、保護者会を実施したい」「各SNSの使い分けや親コミュニティへの発信をしていきたい」等のご意見をいただきました。今回のセミナーが保護者へのフォローアップ方法について考えるきっかけを提供できたのであれば嬉しく思います。

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■株式会社Lincについて

Lincではインバウンド・タレントの「日本に来て良かった」を最大化させることで多様性と包容力溢れる社会の実現というビジョンを掲げております。少子高齢化という、抗えない大きな波が押し寄せてくる日本において、優秀なインバウンド・タレントの増加は日本という国の持続的発展に必要不可欠だと我々は確信しています。そのために私たちはお客様のニーズに応えるべく、常にユーザーである学生や日本語学校をサポートすることによって信頼関係を構築してまいりました。またLincはこれまで投資家から累計2億円近くの資金調達を完了しており、この話題が日本経済新聞にも掲載されました。

 (※参考 日本経済新聞掲載記事)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58522900X20C20A4XY0000/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26848240T10C18A2XY0000/

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