多国籍メンバーがいる組織の成長痛~いかに企業カルチャーを確立し、人数・多文化の壁を越えるか~セミナーレポート(パート1)

6月17日(木)にLinc Intern主催のセミナー【多国籍メンバーがいる組織の成長痛~いかに企業カルチャーを確立し、人数・多文化の壁を越えるか】を開催しました。

今回は、初めてのオフライン・オンライン同時開催で行い、お付き合いのある企業の皆さまに加え、留学生や企業で働く社会人なども含めて、合計80名の方にご参加いただきました。

(なお、コロナウイルスの感染リスクを最小限に抑えるため、会場参加は20名以下にし、消毒換気を徹底しての開催となりました。)

今回のセミナーは、多国籍の社員をもち、組織の成長課題を乗り越えている3名のゲストをお招きし、LincのCEO仲が「組織成長の壁と多国籍メンバーのマネジメントノウハウ」について伺いました。

一時間半に渡る濃密なパネルディスカッションだったため、パート1,パート2の2回に分けて、イベントレポートをお届けします。

パート1では、「マネジメント編」として、組織の30、50、100人の壁についてのディスカッション部分をご紹介します。

ゲストのご紹介
株式会社Ptmind 代表取締役 鄭遠さま(以下、鄭さん)
会社HP:https://jp.ptmind.com/

 

TOUCH GROUP株式会社 代表取締役 原田静織さま(以下、原田さん)
会社HP: https://www.touchgroup.jp/#/about

 

株式会社イー・ビジネス 代表取締役 花東江さま(以下、花さん)
会社HP:https://e-business.co.jp/

仲:まず皆さんの組織の人数及び、外国籍メンバーの比率を教えてください。

鄭さん:100名弱のうち日本人2割、中国人8割で、他国籍も数名います。

花さん:200名弱のうち、日本人2割、中国人8割くらいですね。ちなみに男女比率でいうと6:4で、IT企業にしては女性比率が高めなところがアピールポイントです。

原田さん:2つの会社(ランドリームとTOUCH GROUP)合わせて30~50名規模です。ランドリーム側は日本人メンバーが中心で、TOUCH GROUPは、8・9割が中国人メンバーです。

仲:ありがとうございます。それでは次に、30、50、100名と組織がそれぞれの人数に到達するタイミングで直面した壁について、皆さんの経験を教えていただけますでしょうか。

ちなみにはLincは10名から壁だらけで、10名から2名になったという組織崩壊経験があります。私自身も苦労してきたので、皆さんの経験もぜひ伺いたいと思います。

鄭さん:組織が30名になるまでの壁はプロダクトマーケットフィット(PMF)を目指すことでしたね。

50、100名の壁は同じ時期にやってきたと思います。製品をリリースしてから1年半後に一気にユーザーが増え、また資金調達もしたことで、メンバーが一気に50名、100名と増えたんです。この時に自分はなんでもできると勘違いしてしまったことが大きな反省です。

例えば、同時にアメリカの上場した会社の副社長を3名採用したのですが、結果社内でかなり大きなハレーションが起きてしまいました。また、急速に伸びた会社の成長が止まり、人は増えてるのに事業は成長しないフェーズではみんなのやる気が落ちてしまい、1日40名リストラしたこともあります。一人ひとりに電話して謝罪しましたが、本当に申し訳ないことをしたと思っています。

花さん:会社設立3年目に組織が30名になりました。それまで私が一人ひとりのメンバーとコミュニケーションをとっていましたが、さすがに30名を越えると難しくなり、仕事をどのように仲間に任していくかを考えるようになりました。

また50名を超えだしたときは、属人していた業務をいかにルール化するかが大きな課題でした。さらに、社員が多くなったことで、それぞれの所属感や公平感への配慮が必要になりました。

中堅層のマネジメント力向上、会社のビジョンとカルチャーの浸透、透明な人事評価等に力を入れ始めたのがこのタイミングですね。

原田さん:二人のお話を伺っていると、10名も一つの壁じゃないかと思うようになりました。社長一人でマネジメントできるのは10名までで、30名になると限界がくるので、「マネジメントの壁」は共通でありますね。

他には、10名を超えると会社として継続して社員を雇用するためのビジネスモデルを考えることが大切になります。10名以下だとなんとか利益を出せば養えるが、それ以上だとそうはいきません。

また、ピープルマネジメントの限界や、ビジョンの共有、企業文化の浸透、メンバーのロイヤリティ向上は同じく大きな壁でした。

 

仲:ありがとうございます。次に、皆さんはぶつかった壁に対してどんな工夫をされてきたか教えてください。

鄭さん:PMFまでは、とにかくお客様に会うことを大事にしていました。2年半で1000社のお客様に会い、良い製品を作ることに集中して、30人の壁は乗り越えてきました。

50、100名になったときに起こったハレーションやリストラ経験からは、2つのことをを学びました。

一つ目は、戦略の明確さ(選択と集中)です。組織が大きくなるといろんなチャンスが見え、多様なメンバーが増えて、何でもやりたいとなりがちです。しかし、起業時の初心を忘れることなく取捨選択し、様々な機会に対してNOを言うことが大事だと思います。また、会社としての戦略を全社的に理解できているかも肝心です。

二つ目は、組織力ですね。戦略を実行していく上で、3つの要素を大切にしています。

①社員の一体感:向かうゴールへの理解、共感、意欲の統一が大事だと考えます。

②スキル:良い成果を出すためには、社外のリソースを借りてでもして社員の成長とトレーニングをすることが大切だと思います。以前は良い成果を出すためにはその道のプロに任せればよいと考えていましたが、それではスピードが出ないので、仕事を教えるコーチが必要だと考えるようになりました。

③利益:会社の利益だけでなく、公平な利益共同体を作ることが大事です。例えば、弊社ではストック・オプションを大きく付与する施策などをとっています。

花さん:私が言いたいことがほぼ鄭さんに言われてしまったので、補足という形で2つお話します。(笑)

一つ目は、常に新しいチャレンジをすることです。

弊社は最初の10年はITソリューションしかやってなかったのですが、今までのやり方では限界があり、爆発的成長は見込めないので2、3年前から新規事業に挑戦し始めました。会社として選ぶ事業のポテンシャルを見極め、チャレンジをすることが大切になってくると思います。

二つ目は、経営者のミッションが何かを考えることです。

組織の壁というよりは経営の壁で大事なのは戦略であり、経営者としての唯一のミッションは戦略を考えることだと思います。

最初は、私一人で社長、営業、プログラマー、財務、人事などいろんなマルチタスクを担ってきましたし、組織が大きくなるにつれ、自分のポジショニングが大事になってきます。

組織が100名を超えると、経営と管理を分けることも必要になってきます。私としては、プロの方に経営と管理を任せたいですが、外部から誘うのか、内部から育てるのかはまだ模索中です。

原田さん:3番目は、とても喋りずらいですね。(笑)

組織を作っていく中で大切なのは、ビジョンとミッションの共有だと思います。ソフトバンクに入社したときに、孫正義さんが話していたことで今でも印象に残っていることをシェアさせてください。

ソフトバンクを創業して2、3年経ったときに孫さんは大きな病気をして療養していたんですけど、その時に当時のNo.2と10名くらいのメンバーが抜けて、孫さんと同じビジネスモデルの会社を作ったというエピソードがあるんですね。孫さんがこの経験から学んだのは、組織を作るときに共有すべきことは、タスクや仕事ではなく、理想や夢、ビジョン・ミッションだということです。

私もこの話を今でも大事にしており、経営者として大事なのはビジョンとミッションをチームにずっと共有し続けること、そして組織が大きくなったときにやってることがビジョンとチームに沿ってるかを確認し、もしかけ離れていたら辞める決断をすることだと思います。

実はTOUCH GROUPを立ち上げた2ヶ月後に創業ボードメンバー2名が辞めたんです。辞めた理由はもっと稼げるビジネスが見つかったからと言われました。この時にビジョンとミッションを共有できていなかったとものすごく反省しました。この経験から、今後の採用では、ビジョンとミッションに賛同してくれた人を採用することにしています。

仲:とても貴重な経験のシェア、ありがとうございます!皆さんのお話を伺っていると、大きく分けて3つのことが大事だと思ったので、まとめとしてお話させていただきます。

①ビジョン・ミッションの共有の大切さ

マネジメントの中で大切なのは、組織人数がどれくらい大きくなったとしても、創業者の役割はビジョンを浸透させていくことだと改めて思いました。

②引き算の大切さ

「何をやるか」ではなく、「何をやらないか」を決めることのほうがはるかに大事だと思いました。

どれだけ儲かるチャンスがあることにでもNOを言い、集中することが大切になります。

③採用は優秀な人ではなく、結果を出せる人かどうかで判断する

採用するときに企業カルチャーに合わないなと思っても、とても優秀だと採用したくなりますよね。しかし、優秀=会社で活躍できるとは限りません。

どれだけ企業カルチャーにフィットするかを見極め、また実際に入社してからその人が結果を出せるようにサポートすることが大事なのではないかと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。パート2では、「チームワーク編」をお届けします。

 

■当社について

Lincではインバウンド・タレントの「日本に来て良かった」を最大化させることで多様性と包容力溢れる社会の実現というビジョンを掲げております。来る“大労働力不足時代”と日本社会のますますの多様化を見据え、Lincはインバウンド・タレントの留学、就職、生活全般といったライフイベントを支える各種サービスを展開するプラットフォームを目指しております。

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