「日本語学校におけるICT教育の取り組みとその課題」 オンラインセミナーレポート

11月18日(水)Linc主催オンラインセミナー「日本語学校におけるICT教育の取り組みとその課題」を開催しました。

30名限定のイベントとして予定していましたが、申し込み開始後すぐに満員となり、追加募集を実施し最終的には60名以上の方にお申し込みいただき、多くの方にご参加いただくことができました。

今回の内容は、「ICT教育」を導入されている2つの学校より、各学校での取り組みについてご紹介していただきました。
「ICT教育」とは何かよく知らない方、具体的に何から始めればいいかわからない方、まずは他校の取り組みを知りたい方などが多くいらっしゃるかと思います。
そのため、今後ますます需要が高まるであろうと考え、こちらのテーマでオンラインセミナーの実施に至りました。
今回は第1弾として、校内で既にICT教育を取り組んでいる2名のパネリスト、
・ミッドリーム日本語学校 山田貴彦校長
・学校法人ABK学館日本語学校 山田健一理事
をお招きし、各所属学校での取り組み事例についてお話をお聞きしました。

■1.ミッドリーム日本語学校 山田貴彦校長先生
ミッドリーム日本語学校では、ICT教育に関して下記の3点を取り入れています。

1.教員と生徒の全員にタブレット配布
2.オリジナルのe-ラーニングシステムの導入
3.学生管理システムに全ての情報を統合

独自にアプリを開発したものを使い、そのアプリが導入されたタブレットを使うことで、自宅学習、宿題、テスト、成績や出席の管理等の効率向上を目指しています。

タブレットで活用できる機能は大きく分けて2つです。

1.授業の学習補助として
・動画による授業の予習、復習が可能
・宿題、テストが受けられる

2.学校生活の補助として
・学生の成績、出席管理
・進学情報のアクセス
・学校からのお知らせ確認
・証明書発行の手続き

山田校長先生の考える、「ICT教育の利点」とは、
1.能動的参加を促せる
2.協働学習の推進
3.反転学習の推進
4.即時フィードバックによる学習効果の向上
5.学習意欲の向上 (称賛演出や成長の可視化など)

とお話されていました。

■2.ABK学館日本語学校 山田健一理事

ABK学館日本語学校では、2016年後半より、ICT化の取り組みを推進してきました。はじめは、学生管理システムを導入し、2018年後半からは教務関連でのICT化に取り組んでいます。(上記画像参照)
ただ、ICT化を進めていくにあたり、これらのツールを導入しても、なかなか上手くいかなかったのが現状です。そこで、一度に全てのやり方をICT化するのではなく、4段階に分けたSAMR(セイマー)モデルに沿って行っていきました。

第一段階
 ●代替  Substitution
例)教員は、紙でなく、PDFを学生のiPad に送る。

第二段階
 ●増強  Augmentation
 例)学生はiPadに配信された課題に回答、教員が授業で活用

第三段階
 ●変容  Modification
例)教員は学生同士の学び合いが起きるよう、設計変更を行う。

第四段階
 ●再定義 Redefinition
 例)いかに情報を与えるべきか、学生の学びの本質を再定義する。

■3.なるべくコストをかけずにICT教育を導入する方法とは?

次に、ディスカッションタイムとして、「なるべくコストをかけずにICT教育を導入する方法とは?」というテーマで両校の先生方に方法をお聞きしました。

ICT教育、と聞くとコストや手間がかかるイメージがつくかと思います。すぐに学校全体で導入することはできずとも、ネット上に無料で提供されている教育支援ツール(上記画像参照)を個人で使用したり、学校内で外部のオンラインリソースを活用すれば、開発費用等も抑えることが可能です。

■最後に

今回は、ICT教育についての理解を深める一環として、2つの学校の取り組みからわかる特徴や課題をお聞きしました。ICT教育について、皆様が今後の日本語教育業界の課題も考える機会になればと思います。Lincとして、このセミナーにご参加いただいた後、より多くの学校様に「ICT教育」についての理解が深まるような一つのきっかけになれば良いと思います。同テーマでのオンラインセミナー 第二弾も企画中ですので、ご期待ください!

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■株式会社Lincについて

Lincではインバウンド・タレントの「日本に来て良かった」を最大化させることで多様性と包容力溢れる社会の実現というビジョンを掲げております。少子高齢化という、抗えない大きな波が押し寄せてくる日本において、優秀なインバウンド・タレントの増加は日本という国の持続的発展に必要不可欠だと我々は確信しています。そのために私たちはお客様のニーズに応えるべく、常にユーザーである学生や日本語学校をサポートすることによって信頼関係を構築してまいりました。またLincはこれまで投資家から累計2億円近くの資金調達を完了しており、この話題が日本経済新聞にも掲載されました。

 (※参考 日本経済新聞掲載記事)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58522900X20C20A4XY0000/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26848240T10C18A2XY0000/

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